こんな風に任せて
友達が亡くなった。
自転車事故で。
こんな風に会うのはキツイぞ。またみんなで集まりたかったな。
君は大人になってから小学校の時のみんなをバラバラになったのに集めてくれた。
ありがとう。
思い出話でもしようよ。
僕は小学校の時、特に女の子が苦手だったんだ。というより敵視していたと思う。
好きになった子以外はみんな敵だった。
2年生の時に転校してきて、
すごく緊張してたんだけど、
ポテンシャルに任せて、なんとか馴染んだよ。
あれは今思えば奇跡だなって思う。だってさ、今考えたらゾッとするもん。
割と要領が良かったから、なんでも無難にこなしてた僕はなんとかうまくやってのけた。
図工も音楽も体育も得意だったし…
でも女の子が苦手だった。
これだけは絶対にうまいことできなかった。
ドッヂボールの時に前に立って代わりにボールをとってあげて守ったつもりになってた。好きな子ひとり守れなくて男か!?なんて感じで。
それくらい。
でも君がいたおかげでなんか少しだけ女の子と話ができたと思うな。
いつも男の子と女の子の間に立って話とかしててさ、すごいなあって思った。
女の子と話すなんて本当にビリビリしてきて逃げたくなるもんな。
ビデオ観る授業があってふて寝してたらとなりの女の子に
髪の毛やわらかいー!!って言われて触られた時、気絶しそうになったもん。
君は誰にでも平等だった。
少しだけハブれてる人にも普通に話してたから。
その時は気づかなかったのに、今思えばたくさんそういうことあったかも。
明るかった。クラスが明るかったんだ。君のおかげで。
ありがとうって伝えに行ったよ。5年生の時に大好きになった女の子も来ていた。大人になってた。でも無邪気だったと思う。話してないけどそんな気がした。
君のお母さんが僕のこと覚えていてくれた。
大きな写真の君の前で僕は泣き崩れちゃったんだけど、先生がね私より長く生きてよ!って涙流しながら支えてくれたんだ。
君が先生たちにも会わせてくれたんだね。僕、死ねないよ。もう簡単に死んでしまいたいなって思えないよ。
そして、落ち込まないから。
むしろ前向きになるさ。
あの日は曇天だったのに、夕暮れ時には太陽も出た。オレンジの光と灰色の空が戦ってたし、虹も出てた。
なんていうか君のための空だなって思った。
僕が生きて来た中でトップクラスの空だったよ。
写真は撮らなかった。
というより君のこと考えてたら写真を撮ること忘れちゃってたんだ。ごめんね。
僕の中には残ってるからさ。
いつでもあの景色引っ張り出せるから。
本当は聴かせたい音楽あったんだ。
今日、部屋でその音楽かけるから聴いてね。
君の涙をいつか笑顔に変えてくれ