そっと好かれる…君のビートルズになりたい〜R17指定映画〜

やあ!こんにちは!


君は誰だい?


ほら!!早くしないとどんどん先に行っちゃうぞ!


あ!待って!


なにさー!


君はいったい誰なんだい?


僕かい?
昔の君だよ!


昔の僕だって?


ああそうさ。


不思議なこともあるもんだなあ…


不思議なことじゃないさ。
大人ってそうやってすぐ頭が固くなっちゃうんだな!


あ!こら!今僕のことバカにしたな?


そんなことしてないよ!
どうだい?大人って楽しいかい?


うーんそうだなあ…
辛いことばっかりでたくさん悩んだりふさぎ込んだり、ボロになっちゃうことが多いかなあ。


そうかあ…今の僕と変わってないじゃないか…
楽しいこととかはないのかい?


あるさ!


どんなことが楽しいんだい?


うーん今はさ、僕はギター触ってうたを歌ってるんだ…
それでさ、聞いてくれよ!
この前ライブをやったんだよ!
あの時はさ、とっても幸せだったなあ!


へえーバンドやってるんだ!
なんか考えられないなあ!
10年後は僕もバンドをやるんだね!


あはは。
もし他にやりたいことが見つかったなら憧れていることがあるなら、諦めないでその夢に向かって頑張れよ!
10年前の僕はサッカー選手になりたかったよな?


そうさ!
僕はサッカー選手になりたいんだ。
この前もリフティングが250回出来るようになったんだ!


おお!よく頑張ったじゃないか。
夜にたくさん練習してたもんね。
君なら絶対にサッカー選手になれるよ!
頑張りなー


ありがとう!
話が出来てよかったよ!
僕はサッカー選手に頑張ってなるね。
ばいばい!
君もたくさんいい曲作って僕に聞かせてくれよな!


おお!
ありがとう。
僕も頑張るよ。







8月24日に僕は中野でライブをやったんだ。


この日はびっくりするくらいに早く目が覚めちゃって、
フライヤーを書いたり
MCを考えたり
今日のお客さんが何人来てくれるかなあ
なんてことを確認したりしちゃって…


胸がいっぱいになりながら
僕は玄関を

ああ!!

って叫びながら飛び出していたよ。


その日のライブで使うハーモニカを吉祥寺に買いに行くために
愛車の自転車(荷台DANCE君)をまたいで
ちょっぴりいやらしい目をしながら
口笛吹きながら周りの人の視線をすり抜けたんだ。


吉祥寺でDコードのハーモニカにご挨拶
今日はよろしくハーモニカ君!!!
(5分後ハーモニカにも名前がつく:奪ファーストキス君)!!


お天道様がギラギラ照りつける中
井の頭公園に行ってハーモニカのフレーズをファーファー鳴らしながら考えていると
カップルとか家族とか見ていて思わず下手でもハーモニカを吹いて楽しい音楽を届けたいって思っちゃったよ。


でも、下を向いて奪ファーストキス君をポケットに隠しこんだ僕は本当に情けないって思ったし吐き気がするほどダサかったな…


どうせなら真珠の涙とか流れてくれたほうがみんな喜んだのにさ。


本当に僕って役に立たないなあ!


中野駅についてからは道に迷いながら、
あはは!なんかこういうのって僕らしいな
なんて思ったりしながら
何とかライブハウスについたんだ。


僕はライブの前にある人とお話をしたんだ。
その人はまっすぐな目をして僕にバンドに対する気持ちを話してくれてさ、何が驚いたかって、本当にきれいな目をして楽しそうだった。


きっとこれから僕はこの人に認めてもらうために音楽作るだろうな。


あっと言う間に演奏は終わってしまって、練習でつぶした声でうたった歌は本当にひどいものだったと思うんだ。
ごめんなさい!


悪いことしたら謝るんだったねおっかさん!


でも終わってからは見に来てくださった人と少しばっかりお話もできてとっても幸せだったことは忘れないぞ。





でもやっぱりライブをやるときに一つ気になることがあるんだ。


今の僕はバンドというものをやっているけど、ライブを告知してから


きてください!


っていうメールをいろんな人に送っている状況なんだな。


来てくださるっていうメールをくださる方もいるんだけど、中にはメールが最後の最後まで返ってこなかったりもするんだ。


みんな薄情ものだなあなんて大空に向かって叫びたくもなっちゃうけど
僕の声は響かないで夕焼けの空に吸収されてしまうからやめた。


これはこれからもずっと変わらないのかなあ。


やっぱり人を誘うのってすっごく怖いし、本当は見てもらうのが恥ずかしくて逃げたくもなるんだよな。


いつか、僕がライブをやるっていって


きてください!


このメールを送らないでも見に来てもらえるような気持ちのいいバンドにしたいって思うんだ。


そしたら僕は一人前だ。


10年前の僕に胸をはって言ってやる!


やりたいことをやればいいんだよ!
それは楽しいことだけをやるんじゃなくてさ
わかるよな
ほら!明日がもうそこまで来てるよ。
走れー!!!




次のライブでもこの曲が出来たらいいって思うよ


君のビートルズになりたい〜R17指定映画〜



もだえる君は頬を染めた

まぶたの裏の世界

もだえる君は言うよ

妄想畑で捕まえて


うつろな君のスカート

ふともも誘い出すよ

うつろな君は言うよ

明日私、デートなのよって


ああ快感さ

僕の映画

これは17の真夜中のことだったのさ


ああ快感さ

僕の映画

これは17の

ああ


I wanna be your BEATLES

君の好きなコードを使うから

I wanna be your BEATLES

僕から君へ


ああ快感さ

僕の映画

これは17の

ああ


I wanna be your BEATLES

君の好きなコードで歌を歌うから

I wanna be your BEATLES

僕から君へ


季節のような僕を

殺せ 僕をいっそ殺せ

ああ明日桜木の上で死のう 生きろ

君と僕の映画ではなかったんだ

君と僕の映画では…







このまえ日課で走っていた僕の足にぶつかってきた真っ黒な子猫がいて君はさびしそうな泣き声をして僕になついてきたんだ。


この僕になついてくれた君は僕がまた走り出すと後ろをついてきて…


僕は結局、車がたくさん通る道路が心配で君を抱きかかえながら家まで連れて帰った僕に悲しい宣告はくだり、君をあの団地に自転車のかごに入れて戻しに行ったよね。


君をそっとかごから降ろして、
ゆっくり走るとついてきてしまう君がほんとうにかわいくて何度も抱きかかえてしまったのも忘れないよ…


心に決めて僕は力いっぱいペダルをこいだ。


君は僕を呼び戻す魔法の泣き声を使ったんだ。


僕はまた君の顔を見るために引き返してしまったよ。
ずるいぞ!


最後の別れは本当にあっさりとしていた。


僕が自転車で走り出すと君はベビーカーを押していたパパと男の子に出会った。


僕はそこであまりにもあっさりとした別れに少しだけ安心してゆっくりと口笛を吹きながら帰ったんだ。



小さな夏の思い出をありがとう。


今日は雨だ。


君は震えてないかい?


寒くないかい。


いつでも君を最優先に思ってる。


僕にはこれ以上のやさしさって何かがわからないよ。