めまぐるしい変身と芋虫ガールと、ときどき純白なパンツ

僕にとっての周りの世界はとてつもなく厳しくて、それはこれからも絶えずに続いていくんだきっと…


イヤホンを耳にあてて玄関を飛び出して、僕は走る。


最近何か日課を作りたくて、人の顔がなかなか判断がつきにくい夜に僕はそっと外の世界に顔を出してみるわけだ。


いやー別に引きこもりってわけではないけどさ…


ただ魂を開放して外に出られる時間って言うのかな?


なんだかこう胸がわくわくするっていうか、自分が今この世界で主人公って言うのかな。


とってもいい日課が出来たもんだよ。



この日課、実はもう1月くらいからちょろちょろとやっていたんだ。


でもなんか寒くて、通り過ぎる人がみんな化け物みたいに見えちゃって、どうしても怖くなっちゃったりしてね。


最近は気温とともに通り過ぎる人が人間っぽい生き物に見えてきたってことで毎日の日課になったんだ。


サッカー部だった頃のあのキレイな汗が額(ひたい)を伝ったら終わりの合図なのさ。


歩いて近くの公園のブランコに腰かけてすっかり暗くなった空を仰いでさ、
今日の月は船みたいだなとか、
今日の星頑張ってるなとか、
星座の名前は言えるかいってひとり言を言ったりして…


久しぶりにブランコに乗ったとき、その日には少しお酒を飲んでいたのも災いして気持ち悪くなって吐いた。


何を吐いたかって、それはアレだよ。


習い事の前に行きたくない行きたくない行きたくないって思ってるときにトイレで吐いたり、
好きなこが他の男と話してかわいいエクボをこぼしてたのを見て、夜に思い出して枕元に吐き出したりするアレだよ。


わかるよな?


これが何かわからない人達が多すぎるんだよ。


話が戻るけど、僕はブランコで目が回ったんだ。



これは僕としたら信じられないことだったんだ。


小さい頃、うーん幼稚園とか小学校低学年の頃かな。


僕はブランコ名人かって思うくらいブランコを操ることが出来る空中ブランコ乗りのキキもびっくりするような少年だったからな。


そんな僕がまさかブランコ酔いすることが信じられなかったんだ。


ブランコに乗ると僕がぶらりとゆれたら、周りの景色はグルングルン。


そんな世界を僕は楽しんでいられたんだ。


小さい頃なんて、今の僕よりも周りの変化は芳しかったと思う。


でもその世界に疑問を持たないで大きくなっていったんだ。



僕は考えた。


ブランブラン…


ブランブラン…


やっぱりそうだった。


年をとるにつれてたくさんのものを僕たちは身につけたりするけど、たくさんの大切なものも失うんだ。


その大切なものの中にこんなものがあると思うんだ。



それはこの流動的な周りの環境に混乱しないで
それはこのめまぐるしい変化の中に放り込まれた僕たちがグルグルふらふらしてしまわないようにやさしく守ってくれる力を失ったんだ。


知識が身につけば身につくほど、どんどん失ってしまう力…


こればっかしはもう取り戻すことが出来ないのかなって思う。


小さい頃の僕と、今の僕はもう違う。


そうやって一つ一つ受け入れていかなきゃいけない時もあるのかな??


僕はまだ信じたくないな。怖いもん。


たとえばだけど、絶叫マシンが好きな人って言うのは死ぬことへの恐怖がより少ないんだろう。


苦手な人って言うのは人の死に関して敏感なんだよ人一倍。


絶叫マシンを好む人はきっと自殺なんか考えないんだろうな。


そう言うしかない。




ああ芋虫ガール

君の手足になってあげるよ

ああ芋虫ガール

君の手足になってあげるよ



このフレーズが頭から離れない。


これは僕の親友の作った歌であって、親友の人格の崩壊とともに感じた僕の涙が溶け込んだ曲だ。



デイ・ドリーム・ビリーバー

忌野清志郎


あなたは素敵な方でした。


僕も死ぬときは最後までライブをやっていたいです。


素敵な曲と声をありがとうございました。


ロックの神様に会ったらこう伝えてやってください。


ちょっくらあいつのところに降りてやってくれないかって…


そんな時僕は一人ぼっち部屋で叫んでます。



降りて来い!!!
ロックの神様!!!!!!!